カブトムシ飼育時のコバエ対策・コバエには食物由来と植物由来がいる

カブトムシ飼育時のコバエ対策・コバエには食物由来と植物由来がいる カブトムシの成虫の飼育

カブトムシ飼育時のコバエ対策・まず敵を知る!

 

コバエには植物由来と食物由来がいる

 
まず始めに「コバエ」には

  • 生ゴミなどの食べ物から発生するコバエ
  • 観葉植物や腐葉土などの植物から発生するコバエ

がいることをご存知でしょうか?
 
それらは全く別のハエなので、「コバエ対策製品」として販売されている製品の中にも除しようとしている「コバエ」に効く製品群と効かない製品群があるのです。
 
そして、カブトムシを飼育している時に発生するコバエは、主に腐葉土から発生しますので、「植物由来」の製品を使う必要があるのです。
 
 

「コバエ」という「ハエ」はいない

 
さてさて。
そもそも「コバエ」という「ハエ」はいないと言うことをご存知でしょうか?
 
小さなハエを「コバエ」と呼んでいるわけですが、実はそれには「ショウジョウバエ」「ノミバエ」「キノコバエ」「チョウバエ」のような種類があり、それらを総称として「コバエ」と呼んでいるに過ぎません。
 
 

ショウジョウバエ

 
ショウジョウバエ
 
「ショウジョウバエ」は、黄色~茶色の身体に赤い目が特徴のコバエです。体長は 2mmほど。
 
「食物由来」の「コバエ」で、生ゴミや果物を発生源としています。
そのため、キッチンなどの生ゴミや食べ物がある場所に多く発生します。
 
いわゆる「ハエ」の小型の形をしていて、「コバエ」の筆頭として「コバエ」というとこの「ショウジョウバエ」が一番最初にイメージされるかと思います。
また、「ショウジョウバエ」は 1年間に 30世代ほどの世代交代するため、遺伝に関連する実験に多く用いられる動物でもあります。
 
画像は下記「Wikipedia・ショウジョウバエ」にあったものを使用しています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%83%90%E3%82%A8
 
ちなみに、ショウジョウバエは、青色の光を当てると死ぬそうです。
https://gigazine.net/news/20141210-blue-light-death/
 
 

ノミバエ

 
ノミバエ
 
「ノミバエ」は、黒褐色の身体で、ノミが飛び跳ねるような動きが特徴のコバエです。動きが俊敏で飛ぶのも歩くのも速い。体長は 2mmほど。
 
「食物由来」の「コバエ」で生ゴミなどを発生源としますが、腐った植物や昆虫の死骸など様々な有機物をエサに出来るため、様々な場所から発生します。
 
画像は下記「Wikipedia・ノミバエ(英語)」にあったものを使用しています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Phoridae
 
 

キノコバエ

 
キノコバエ
 
「キノコバエ」は、灰色~黒色の身体で「カ」に似た体型が特徴の「コバエ」です。体長は 2mmほど。
 
「植物由来」の「コバエ」で、幼虫は土壌の中の腐敗した植物などをエサに成長します。家庭では観葉植物や家庭菜園の植木鉢、プランターなどが発生源となります。
「ノミバエ」と違い動きに俊敏さはなくふわふわ飛んでいます。
 
キノコに産卵することなどが「キノコバエ」の由来となっています。
また、野菜や花卉の根を食べて枯死させることもあるため、農業、家庭菜園などをする上では発生させないようにする対策が重要になるコバエです。
 
画像は下記「Wikipedia・キノコバエ」にあったものを使用しています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%82%B3%E3%83%90%E3%82%A8
 
 

チョウバエ

 
チョウバエ
 
「チョウバエ」は、黒色の身体で、全身が毛に覆われ止まったときに「チョウ(ガ)」に似ていることが名前の由来となっている「コバエ」です。体長は 5mmほど。
 
「コバエ」は「食物由来」か「植物由来」かの 2つですと書きましたが、「チョウバエ」はどちらでもなく、下水管などに溜まったヘドロ状になったところを発生源としています。
かつてはトイレに多く発生していたことから「便所バエ」と呼ばれることもあります。
 
画像は下記「Wikipedia・チョウバエ」にあったものを使用しています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%83%90%E3%82%A8
 
 

「コバエ」は様々な種類がいて特徴が異なる

 
ひとまとめに「コバエ」と言ってはいるものの、実は性質が異なる様々な「コバエ」がいるのです。
 
それぞれ異なった特性を持っていますので、「コバエ対策製品」と書いてある製品ならどれでもいいわけではなく、それぞれの「コバエ」に効く製品がありますので、対処したい「コバエ」の特性に合わせて製品を選ぶ必要があるのです。
 
下記の記事なども参考になるかと思います。
https://www.earth.jp/gaichu/knowledge/kobae/
 
 

カブトムシを飼育するときに発生するコバエ

 
さて、「コバエ」には様々な種類があることを説明しましたが、では、
カブトムシを飼育するときに発生する「コバエ」はどれなのか?
と言うことになるかと思います。
 
 
カブトムシを飼育するときに発生する「コバエ」は、主に「腐葉土」を発生源としていますので「植物由来」の「コバエ」になります。
 
つまり「キノコバエ」です。
 
そのため、カブトムシを飼育するときには「植物由来」のコバエ対策が必要になります。
「観葉植物」「キノコバエ」「家庭菜園」「腐葉土」と言ったキーワードが含まれる「コバエ対策商品群」を選択する必要があるのです。
 
 
ただ、注意が必要なのは、カブトムシのエサに「昆虫ゼリー」ではなく、果物を与えている場合です。
その場合の「コバエ」は、「果物」を発生源としている「ショウジョウバエ」「ノミバエ」である可能性もありますので、発生しているコバエを見極める必要もあります。
 
 

カブトムシの飼育に有効なコバエ対策製品の紹介

 

植物由来のコバエ対策商品は 3つのグループがある

 
ここまでで、カブトムシを飼育しているときのコバエ対策は、「キノコバエ」対策であることが分かったと思いますが、では、具体的にどのような製品で対応していけばいいのか、について紹介していきます。
 
 
まずは、「植物由来」のコバエ対策製品をグループ分けします。
コバエ対策製品は、大きく分けて 3つあります。
 

  • コバエをおびき寄せて捕獲する製品
  • 土にまいて殺虫する製品
  • 飛んでいるコバエを殺虫する製品

 
このうち、カブトムシを飼育する中で使用出来るのは「コバエをおびき寄せて捕獲する製品」が主体になります。
 
 

コバエをおびき寄せて捕獲する製品

 
「コバエをおびき寄せて捕獲する製品」は、コバエが好きな匂いがするものでおびき寄せてコバエを捕獲する仕組みの製品です。
いわゆる「ゴキブリほいほい」と同じ仕組みの製品です。
 
匂いでおびき寄せて、粘着性の物質にくっつける仕組みのものや、ツルツル滑る容器に誘い込み薬剤に落とす仕組みのものなどがあります。
 


 
このあと紹介する、土にまく殺虫剤や空気中に散布する殺虫剤などの殺虫剤は、虫を殺す成分が含まれるため、カブトムシの飼育をしながら使うことは難しい状況にあります。
 
そのため、カブトムシの飼育下においてはこの「コバエをおびき寄せて捕獲する製品群」をメインに使って対策をしていくことになります。
 
 
ただし、「コバエがホイホイ」は「ショウジョウバエ」用の製品ですので「キノコバエ」には全く効きません。
「キノコバエ」用の製品を選びましょう。
 
 

キノコバエには「コバエがホイホイ」は全く効かない

 
「コバエをおびき寄せて捕獲する製品」としては、下記の「コバエがホイホイ」を思い浮かべる方も少なくないと思います。
私も使っていました。
 


 
https://www.earth.jp/gaichu/exterminate/kobae/method_001.html
この記事を書くときに参考にした「アース製薬」のサイトを見ると、「コバエがホイホイ」は「ショウジョウバエ」対策のための製品だと言うことが分かります。
 
ヨドバシとか Amazonの商品レビューの中に、『「コバエがホイホイ」は全く効かない』という書き込みもありますが、そもそも相手にしようとしている「コバエ」の種類が違うので、効かなくて当然、と言うワケなのです。
 
私も「コバエがホイホイ」も使っていたのですが、これが全く効かなかった理由がハッキリしたのでした...
 
 
ちなみに、先のページを見るとそもそもアース製薬の製品群には「キノコバエ」に対応出来る製品がないの?と思ってしまいますね。
 
先に紹介した「土からわいたコバエ退治 粘着剤タイプ」はアース製薬の商品なのですが、家庭向けの製品という感じではないのかも知れないですね。(園芸用品という扱いなのかも知れません。)
 
 

土にまいて殺虫する製品

 
「土にまいて殺虫する製品」ですが、コバエが発生する土に殺虫剤をまいて虫を殺虫する製品です。
 


 
製品にもよりますが、コバエ専用というものではなく、土から発生するいろいろな虫を駆除する殺虫成分が入っており、幅広く、けっこう強力に虫の発生を抑えてくれます。
また、育てている植物がそれらの殺虫成分を取り込み、植物の葉や花、実などに発生する虫も含めて駆除してくれる製品もあります。
 
これは、コバエを始めとした土から発生する虫を絶つことができ、かなりの効果が期待できます。
 
しかし、これは家庭菜園などの園芸用です。
カブトムシを飼育している腐葉土に使うとカブトムシも一緒に殺虫してしまう可能性がありますので、カブトムシの飼育には使えません。
 
ちなみに、家庭菜園で野菜などを育てて食べよう、と思っている方が使う場合は、食べるときに薬剤成分が残らないようになっている製品であることを確認しておくことをお勧めします。
 
 

飛んでいるコバエを殺虫する製品

 
「飛んでいるコバエを殺虫する製品」は、蚊取り線香のようなタイプの製品群です。
また、このグループは細かく分けるとさらに 2つのグループに分けられます。
 

  • 殺虫成分を空気中に漂わせることでコバエを殺傷する殺虫剤
  • 虫に直接噴射することで殺傷する殺虫剤

 


 
前者は、昔ながらの蚊取り線香のイメージです。
蚊取り線香は、線香を燃やして薬剤を漂わせて、漂っている薬剤を虫が吸い込んで、体内の殺虫成分が一定以上の濃度になると薬剤の効果で殺虫する、と言う仕組みの製品です。
 
そのため、空気中に漂っている薬剤成分の濃度もある一定以上にならないと効果が上がらないため、屋外であったり、窓が開いていて風通しがいい部屋などではなかなか効果を得にくいと言えます。
 
 

 
例えば、我が家ではベープを使っていますが、春や秋などは窓を開けていることも多いので、窓を開けていると「コバエ」は全く死にません。
ですが、夜は窓を締め切って寝ると、朝になったら窓際などに点々と「コバエ」が落ちて死んでいます。
 
薬剤成分を漂わせて虫を駆除するタイプの殺虫剤を使う場合は部屋を閉め切るなどの対応が必要になります。
 
ただし、カブトムシがいる部屋で殺虫剤を使うとカブトムシにも影響しますので、基本的には使うことは避けましょう。
 
とはいえ、カブトムシはコバエと比べると身体が大きいこともあり、薬剤の致死量はかなり大きいため、小バエが死んだからと言ってカブトムシもすぐに死んでしまう、と言ったことはありません。程度の問題ですが...
 
 
そのため、例えば、
我が家の場合は、玄関にカブト虫の飼育ケースを置いていますが、玄関とリビングはドアで完全に仕切ることが出来ます。
そのため、リビングのドアを閉めて、リビングではベープを使う、と言ったことをやっています。
 
 

 
後者の「虫に直接噴射することで殺傷する殺虫剤」は、ゴキブリ退治で使う「コックローチ」などが思い浮かぶかと思います。
 
前者と同じ様な殺虫成分を直接虫に噴射して殺傷するタイプの殺虫剤もありますが、虫の気門(呼吸をする穴)を塞ぐことで窒息死させるタイプであったり、脚や羽を動けなくすることで殺虫するタイプもあります。
 

 
「脚や羽を動けなくするタイプ」としては、殺虫成分を使わず、急速に凍らせて殺虫する製品などもあります。
 
 
薬剤を使わず凍らせて殺虫するタイプはカブトムシを飼育している部屋でも使用できますが、飛んでいるコバエに対して使うには精度、効率が悪いかと思います。
 
 
 

虫コナーズの対象は「ユスリカ」と「チョウバエ」

 
ちなみに、つるすだけで虫が来なくなる、と言う CMを流している「虫コナーズ」ですが、カやハエなど害虫全般が来なくなるような印象を持ちます。
 


 
https://www.kincho.co.jp/seihin/insecticide/m_plate/plate/index.html#p-detail
ですが、「適用害虫」にはしっかりと「ユスリカ」「チョウバエ」と書かれています。
 
そのため、カブトムシを飼育しているときに発生する「キノコバエ」には効かないと言うことが分かります。残念。
 
 
 

カブトムシを飼育する上でのコバエ対策のまとめ

 
「コバエ」には、主に「ショウジョウバエ」「ノミバエ」「キノコバエ」「チョウバエ」の 4種類に分けられ、それぞれ違った特性を持っています。
 
このうち、カブトムシを飼育する際に発生する「コバエ」は、「植物由来」の「キノコバエ」です。
特徴は「カ」に似た体型の黒色で、頼りなくふわふわと飛ぶのが特徴です。
 
また、「コバエ対策商品」と言っても、それぞれ対象とした「コバエ」が異なりますので、「植物由来のハエ」「キノコバエ」を対象としている製品を選びましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました