カブトムシの幼虫は共食いしない
カブトムシの幼虫は共食いするといわれているが
カブトムシの幼虫は共食いをすると言われていて、それを信じている方も多くいます。
ですが、私はカブトムシの幼虫は共食いはしない、と考えています。
なぜなら、カブトムシは、幼虫も成虫も肉食ではないからです。
肉食でもない幼虫がなぜ共食いをするのでしょうか?
ただ、飼育ケースでカブトムシの幼虫を飼育する場合、自然界より密集した状態で幼虫同士がいますので、エサを食べるときや土を掘って移動するときなどに、口や足の爪などがほかの幼虫に当たり、肌を傷つけ、結果的に弱って死ぬことにつながることはあるだろうと考えています。
また、メスのカブトムシが産卵のために土に潜っていく際に卵や幼虫を傷つけることもあるでしょう。
もしかすると、他のカブトムシの幼虫に牙を突き立てていることもあるのかもしれませんが、それは積極的に共食いをしようとしているのではなく、エサを確保するために自分のテリトリーを確保しようとしている、と考えています。
また、卵から孵る孵化率の低さや、一令幼虫、二令幼虫の死亡率の高さもあり、その原因として、誰かが「カブトムシの幼虫は共食いをする」としたことが、そう広く信じられてきた原因ではないか、と考えています。
大サイズの飼育ケースにカブトムシの幼虫 27匹でも共食いなし
私の経験ですが、一令幼虫、二令幼虫のころに、大サイズの飼育ケースに最大で 27匹の幼虫を一緒に入れて飼育していた時期がありました。
一令幼虫、二令幼虫の期間は長くないのですが、卵から孵ってすぐの状態の幼虫も含めて、27匹を一つの飼育ケースの中に入れて、1か月程度その状態でしたが、1匹も減らずに育ちました。
しっかりとエサとなる腐葉土を用意してあれば、大サイズの飼育ケースに幼虫が 27匹いても問題ない密度と言えるようです。
ただ、三令幼虫になると 1匹の大きさが大きくなりますので、大サイズの飼育ケースであっても 20匹程度が限界であろうと思います。
私の場合は、三令幼虫の時は、大サイズの飼育ケースに最大で 17匹を入れていましたが、1匹も減ることなく育ちました。もちろん、共食いはありません。
もともと三令幼虫の死亡率は低いのですが、三令幼虫になると、皮膚も強くなりますので、多少傷ついても命にかかわるような状況にはならないと考えられますし、多少の密集具合ではお互いのことを仲間だと理解し、状況を判断して適切に移動するのではないか、と考えています。
これらのように観察をしてきた結果、カブトムシの幼虫は共食いはしない、と考えています。
カブトムシの幼虫の密度が高い状態では腐葉土(昆虫マット)の質が特に大事
元々カブトムシの幼虫を育てる上で、腐葉土(昆虫マット)の質は重要なポイントですが、幼虫の密度が高い状態では腐葉土の質がより重要になってくるでしょう。
そのため、幼虫の密度が高ければ高いほど、より質の高い腐葉土を用意しておくと良いでしょう。
カブトムシの幼虫の生存率を上げるには手間暇を掛ける
カブトムシの幼虫の生存率を上げるには、また、カブトムシを大きく育てるには、手間暇を惜しまないことだと思います。
幼虫の生存率を上げるためにも、大きく育てるためにも、エサとなる腐葉土を適切な状態に保ち続ける必要があります。
そのための手間を惜しまなければ、飼育ケースに密度が高い状態で幼虫が入っていても十分に育っていってくれます。
1ヶ月に 1回くらいのペースで腐葉土を交換する
手間暇のかけ方としては、定期的に腐葉土を交換することです。
大サイズの飼育ケースに 10匹以上の幼虫を飼育している場合は、1ヶ月前後で腐葉土を交換することをお勧めします。
具体的には、大サイズの飼育ケースの場合で 10月、11月の一番活動が活発の時期は
15匹前後の場合は 4週間程度で交換が必要です。
10匹前後の場合は 7週間程度で交換が必要です。
理由は、見た目はあまり変わらないのですが、実は飼育ケースの腐葉土はフンだらけ、と言う状況になっている場合も少なくないからです。
カブトムシの幼虫は腐葉土を食べてフンを出しますが、よくよく見てみると、上記の写真のようにフンだらけになっていた、と言う場合もあります。
この状態ではエサがなくなっている状態ですので、すぐにでも腐葉土を入れ替えましょう。
また、腐葉土が乾燥してくると、幼虫自身も乾燥してしまいますので、適度に湿度を与えるためにも、定期的に水分を調整した腐葉土を入れてあげる必要があります。
幼虫の密度が高い状態であっても、その手間を掛けることで、幼虫は十分にエサを食べることができますので、お互いを傷つけることなく、元気に育っていってくれます。
より具体的な腐葉土の交換のタイミングや、腐葉土交換のやり方などは下記の記事を参照してください。
カブトムシの幼虫の飼育・腐葉土を交換する時期、タイミングの見極め
カブトムシの幼虫の飼育・腐葉土は定期的に交換しよう!
仕切りがある飼育ケースで飼育をする
カブトムシの幼虫は共食いしない、とはいうものの、一令幼虫、二令幼虫の死亡率はそれなりにあります。
そのため、卵からの孵化率を上げることや、一令幼虫、二令幼虫の間の死亡率を低く抑えるための方法がいくつかあります。
その一つが、1匹ずつ仕切りがある飼育ケースに入れて育てるという方法です。
1匹ずつ仕切りがある飼育ケースに入れて育てることで、周りの幼虫の影響を受けることなく育てることができます。
ペットボトル加工してケースを自作する
仕切りがある飼育ケースを購入するには相応に費用がかかりますので、ペットボトルや牛乳パックを加工して、飼育ケースを自作する方法もあります。
ただ、500mlのペットボトルだと、三令幼虫には小さすぎますので、ある程度の大きさになると飼育ケースに入れてまとめて飼育するようになっていきますね。
腐葉土もふるいに掛けて使用する
幼虫が小さいうち(一令幼虫、二令幼虫の頃)は、腐葉土の質も大切です。
カブトムシの成虫になったときの大きさは、幼虫の頃にどれだけ栄養を採れたかに影響しますので。
ここで言う質とは、幼虫の大きさに合った腐葉土、と言う事です。
幼虫自身が小さいために、より小さな粒子の腐葉土の方が食べやすく、より早く大きく成長していくことができるでしょう。
そのため、購入した腐葉土をそのまま利用するのではなく、一度「ふるい」に掛けて小さな粒子の腐葉土だけにしておくことをオススメします。
ちなみに「 執筆中 」でオススメしている完熟タイプの腐葉土は、粒子がより小さいため一令幼虫、二令幼虫を育てるときにも非常に役に立ちます。
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